公演情報

ファビオ・ビオンディ指揮 エウローパ・ガランテ ヘンデル「シッラ」全3幕 日本初演 (イタリア語上演/日本語字幕付) 2022年10月29日(土)・30日(日) 14:00開場 15:00開演*14:15~ビオンディと彌勒忠史によるプレトークあり

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公演情報

音楽堂室内オペラ・プロジェクト第5弾 (イタリア語上演 日本語字幕付)
*上演時間約3時間(休憩含み)休憩2回(予定
*14:15~ ファビオ・ビオンディと彌勒忠史によるプレトークつき(日伊逐次通訳)
■チケット 6月12日(日)KAme(かながわメンバーズ)先行受付

6月25日(土)一般発売:上記先行予約期間に多くの予約を頂いた席種は残券僅少での発売となります


全席指定・税込 

S席15,000円 A席12,000円(残券僅少)B席10,000円(残券僅少)U24*7,500円(24歳以下)
高校生以下*0円 
*S席~B席の中から席を選択可。チケット発券の方法により各種手数料が必要。

車いす席S席15,000円(付添1名無料)…要事前予約

Fabio Biondi and Europa Galante, George Friedrich Haendel: opera Silla, HWV 10 Japan Premiere

世界の名手たちが結集して紡ぐ美しく謎につつまれたバロック・オペラ!
「東洋一の響き」と絶賛される神奈川県立音楽堂の室内オペラ・プロジェクト。なかでも作曲時の楽器と演奏スタイルによる刺激的なバロック・オペラは、多くの音楽ファンを魅了してきました。今回はヘンデルの「最も謎につつまれたオペラ」といわれる『シッラ』の登場です。共和制ローマに実在した暴君ルキウス・スッラ(シッラ)の物語。現代にもありそうなストーリーが絶妙に音楽化された傑作です。世界の古楽界を牽引するファビオ・ビオンディ指揮のエウローパ・ガランテ、ヴィヴィカ・ジュノー、ロベルタ・インヴェルニッツィら豪華な歌手陣、マルチな才能が光る名歌手・彌勒忠史さんの演出で、日本のクリエイターと世界一流の音楽家たちが火花を散らす日本初演です。

■CAST

音楽監督:ファビオ・ビオンディ(指揮・ヴァイオリン)

演奏:エウローパ・ガランテ

ソニア・プリナ(コントラルト/ローマの執政官シッラ)
ヒラリー・サマーズ(コントラルト/ローマの騎士クラウディオ)
スンヘ・イム(ソプラノ/シッラの妻メテッラ)
ヴィヴィカ・ジュノー(メゾ・ソプラノ/ローマの護民官レピド)
ロベルタ・インヴェルニッツィ(ソプラノ/レピドの妻フラヴィア)
フランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリ(ソプラノ/シッラの副官の娘チェリア)
ミヒャエル・ボルス(バリトン/神) ほか

■STAFF

台本:ジャコモ・ロッシ

演出:彌勒忠史
美術:tamako☆
衣裳:友好まり子
照明:稲葉直人(ASG)
台本・字幕翻訳:本谷麻子
舞台監督:大澤裕(ザ・スタッフ)

日本の音楽ファンが泣いた日

2020年2月26日。日本の音楽ファンが涙を流した。
古楽界のリーダー、ファビオ・ビオンディ率いる世界的アンサンブル「エウローパ・ガランテ」らによるオペラ「シッラ」が、日本のクリエイターとの協働で初めて完全な舞台版として世界初演される日まであと3日。
コロナウイルス対策の政府の要請をきっかけに、公演中止となったのだ。
ファンだけではない。


第一人者として世界の檜舞台で古の名作オペラの復刻上演の実績をつんできたビオンディだからこそ実現できるレパートリー。日本の楽壇、いや、世界でまだ誰も見たことのないエウローパ・ガランテの完全舞台版。
2017年の計画発足以来3年。演出の彌勒忠史は、2019年春にイタリアに飛んでビオンディと打ち合わせ「全面的にあなたを信頼する」との力強い言葉を得て、オペラ界で活躍する気鋭のクリエイターたちでチームを組み、神奈川県立音楽堂とともに着々と準備を重ねていた。

しのびよるコロナ禍を危ぶみつつ、この世界初演を実現しようと、世界トップクラスの歌手たちが各国から来日していた。2公演のチケットはほぼ完売。韓国などアジア近隣国からも購入の問い合わせが入っており、2020年を象徴するはずのプロジェクトだった。

実現すれば、日本の音楽演奏史のマイルストーンになるはずの舞台。中止とともに、音楽堂に寄せられた全国のファン、専門家からのメッセージはたったひとつだった。

「かならず、近いうちに日本公演を実現させてください」。

世界で人の交流が途絶えたいま、プロジェクトの価値は今、ますます輝きを増している。
国際都市横浜から神奈川県立音楽堂が、時代、国籍を超えた協働で創り上げ、発信する
古い歴史のかなたから、数百年を超えてよみがえる幻の名作オペラを未来につなぐプロジェクト。
「失われた夢」を再構築し、新しい希望に変える。

「あきらめない。」――――――果たせなかった夢。コロナを超えて、再び人々がひとつになる。
今度こそ言おう。世界初の舞台作品が、目の前に、コロナ禍を超えて現れると。
それが音楽を通じた、地域と人々の新しい架け橋になると。

2020年の春、出演者、スタッフは「かならずもう一度ここで会おう」と誓い合って別れ、横浜を飛び立った。
そのメンバーが2022年10月、再び横浜に集結する。
「2020年版」をベースに、苦難の数年を経て、演出、彌勒忠史の新しいアイデアが音楽堂に実現する。

 

音楽堂公演が中止になった際、帰国前のホテルの一室から日本のお客様に語りかけた
ビオンディの映像メッセージ(2020年2月 横浜)

2022年10月 夢の舞台が実現する

いよいよこの秋困難を乗り越えて出現するヘンデルのオペラ『シッラ』の舞台。
作曲はドイツ人でありながらイギリスにわたって「メサイア」や「水上の音楽」といった数々の不朽の名作を生み出し、国民的作曲家としてイギリス人に愛されるヘンデルです。

彼がロンドンで書き、当時の聴衆を熱狂させた『ロンドン・オペラ』と呼ばれる名作品群。
『リナルド』や『ジュリオ・チェーザレ』など今やバロック・オペラの定番になっている名作品群の書かれたヘンデル青年期から円熟の時代の作品のひとつとして1713年にロンドンで作曲されたとされる『シッラ』は、当時一世を風靡したイタリア人ジャコモ・ロッシの台本による3幕のオペラ。
2017年、ロンドン・ヘイマーケットの女王劇場のプライヴェート・コンサートで同年に初演されたと伝わるものの、その後劇場などで一般公開上演されたかどうかの記録もなく、今もなお多くの謎が残される「最も謎めいたオペラ」とされる作品です。

ビオンディはそんな『シッラ』を選び、ウィーンの名ホール、コンツェルトハウスで、コンサート形式で蘇演しました。

作品を選んだ理由は「何よりもその音楽がすばらしい。ヘンデルの音楽の最も美しい部分が凝縮したようなオペラ」とビオンディは語ります。しかし一方「権力者のおかしさを描いたこの作品は、まさに現代の社会にもぴったりあてはまるもの」とも。

現在は華麗な音楽や舞台だけを楽しむこともできるオペラですが、その多くには、当時はっきりと言葉に出すことが許されなかった権力者への批判や社会的メッセージなどが含まれていました。共和制ローマ時代に実在した暴君『スッラ』と彼をとりまく群像劇は、一説によれば、当時権力闘争にあけくれていた王室に対する民衆の批判の声を代弁したともいわれています。

バロック・オペラ界の実力派歌手を集めて絶賛された初演のライブCDは世界的に高く評価され、各地でコンサート形式上演は行われていますが、未だセットや演出を伴った完全舞台版は実現していません。

そのキャストを中心に、『メッセニア』で固い信頼関係を結んだ演出・彌勒忠史、そして彌勒が選んだ気鋭のクリエイターたちが、エウローパ・ガランテの完全舞台版「シッラ」の世界初演をここ神奈川県立音楽堂で実現します。

Glossaからリリースされた『シッラ』CD。
2020年の来日記念盤には日本語歌詞対訳もついている。
今回の来日メンバーと概ね同じ主要ソリスト陣の独唱が聴ける。
ウィーン・コンツェルトハウスで行われた公演及び公開録音風景(2017年1月)