公演情報

ブルーノ・ジネール作曲
「シャルリー~ 茶色の朝」日本初演
(フランス語上演・日本語字幕付)

Ongakudo Chamber Opera Project
Bruno Giner « CHARLIE »,
Pocket Opera after “Brown Morning”
by Franck Pavloff, Japan Premiere 

日本語字幕付きティーザー


「音楽堂室内オペラ・プロジェクト」始動!

音楽堂室内オペラ・プロジェクトは、ル・コルビュジエに師事し日本のモダニズム建築をリードした建築家、前川國男の設計により、1954年、日本最初の本格的公立音楽ホールとして開館した神奈川県立音楽堂が、2019年の開館65周年を機にスタートしたプロジェクトです。いま世界のオペラのトレンドは「小型化」。少人数、シンプルな舞台できらりと光るアイデアに満ちた優れたプロダクションが各地で誕生しています。音楽堂室内オペラ・プロジェクトでは、「木のホール・音楽堂」のインティメットな空間、室内楽にピッタリの美しい音響を生かし、バロックから現代まで、時代、スタイル、国境を越えて多彩に拡がる室内オペラの豊かな世界を紹介していきます!

そしてこの秋フランスから上陸するのが「シャルリー~茶色の朝」日本初演です!

 

フランスで200万部のベストセラー!
「茶色の朝」の物語とは

―――けっきょく、俺の猫は俺のものだったんだ。
シャルリーの犬がシャルリーのものだったように。
いやだと言うべきだったんだ。
抵抗すべきだったんだ。
でも、どうやって?
政府の動きはすばやかったし、
俺には仕事があるし、
毎日やらなきゃいけないこまごましたことも多い。―――
茶色に守られた安心、それも悪くない。

フランク・パヴロフ『茶色の朝』
(藤本一勇訳、大月書店刊)

ある日突然、「茶色のペット以外は飼ってはいけない」という法律が施行されたら?

オペラ「シャルリー」の原作となった、
フランスの心理学者、フランク・パヴロフが書く『茶色の朝』は、そんな仮想世界を舞台に繰り広げられる、主人公と友人「シャルリー」の静かで何気ない日常が描かれる、とても短い物語。

本国フランスで200万部を突破し、以後世界26か国語以上に翻訳される世界的ベストセラーになりました。
一体、どんな物語なのでしょう。

シャルリーと主人公はお気に入りのカフェで日常をともにすごす気のおけない友人同士。主人公は猫を、シャルリーは犬を可愛がっていましたが、茶色のペット以外許さないという「ペット特別措置法」が出来てから、それぞれのペットを殺処分し、茶色の猫と犬に飼い代えます。
「茶色の猫だっていい猫だし」
「ことを荒立てるのもなんだし」
「規則に従っていれば安心だし」
違和感を持ちながらも、そんな言葉で自分を安心させて、
シャルリーと主人公は、コーヒーを飲んだり、新聞を読んだり、競馬をあてたり、一見それまでとかわらない日常生活を送ります。

『茶色に守られた安心、それも悪くない』

しかし、その安心は、じわじわと壊されていきます。愛読していた新聞は発禁になり、シャルリーと主人公は会話を誰かに聞かれることにも敏感になります。

そしてついにシャルリーが逮捕されます。
その理由とは―。

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公演情報

2021年10月30日(土)・31日(日)
各日15:00開演(14:15開場) 2回公演
神奈川県立音楽堂

作曲:ブルーノ・ジネール 原作:フランク・パヴロフ「茶色の朝」 (日本語版:大月書店)
演奏:アンサンブルK
アデール・カルリエ(ソプラノ)エロディー・ハース(ヴァイオリン)マリー・ヴィアール(チェロ)グザヴィエ・フェルタン(クラリネット)セバスチャン・デュブール(ピアノ)グレゴリー・マサット(パーカッション)

演出:クリスチャン・レッツ 
照明・舞台監督:アントニー・オーベリクス
プロダクション:アンサンブルK/CCAMヴァンドゥーヴル・レ・ナンシー国立舞台センターの共同プロダクション

※ソプラノは当初発表のアマンディーヌ・トランからアデール・カルリエに変更になりました。

◆公演プログラム

<第Ⅰ部> 室内楽コンサート
(演奏:アンサンブルK)

パウル・デッサウ:ゲルニカ~ピカソに捧げる
ブルーノ・ジネール:パウル・デッサウの‟ゲルニカ”のためのパラフレーズ(日本初演)
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル:
『三文オペラ』より「メッキー・メッサ―の哀歌」「大砲ソング」
モーリス・マーグル/クルト・ヴァイル:「セーヌ哀歌」
ロジェ・フェルネ/ヴァイル:「ユーカリ」
アルヴィン・シュルホフ:「ヴァイオリンとチェロのための二重奏」より
(曲順不同)

<第Ⅱ部>ブルーノ・ジネール作曲
「シャルリー~フランク・パヴロフの小説『茶色の朝』にもとづくポケット・オペラ」
日本初演 (フランス語上演・字幕付)

<第Ⅲ部>作曲家ブルーノ・ジネール(オンライン)を囲むクロストーク
(日仏通訳付)

ゲスト・スピーカー
やなぎみわ(美術作家・舞台演出家)10/30(土)
高橋哲哉(哲学者・東京大学名誉教授)10/31(日)

※ブルーノ・ジネールは来日できなくなり、オンラインでのトークに出演となりました。

 

◆チケット 全席指定
 一般:5,000円
 U24(24歳以下):2,500円
 高校生以下:無料
(要チケット/セブンイレブンでの発券には手数料がかかります)

*車椅子席有り(付添1名無料)
*未就学児の入場はご遠慮ください。
チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/
神奈川県立音楽堂 窓口(13:00~17:00・月休)
神奈川県民ホール・KAAT神奈川芸術劇場窓口(10:00~18:00)
チケットぴあ https://t.pia.jp[Pコード 197-091]
イープラス https://eplus.jp
ローソン チケットhttps://l-tike.com[Lコード35053]
神奈川芸術協会045-453-5080(平日10:00〜18:00/土曜10:00~15:00/日曜祝日休)https://kanagawa-geikyo.com/
*U24・高校生以下・車椅子席は枚数限定。チケットかながわのみで取り扱い。

◆開場/開演にあわせてJR桜木町から無料バスを運行
〔10月30日(土)31日(日)出発時間〕
①13:55 ②14:10 ③14:25 ④14:40

*運賃無料、予約不要、当日先着順。*発車場所はJR「桜木町」駅バスターミナル「タクシー降車場」奥、乗車口横に「神奈川県立音楽堂」の掲示がある横浜市営バスの貸切運行。*終演後の帰路運行はありません。
詳細はこちら

*下記関連企画参加者に優待制度あり
 ①ブックリーディング ワークショップ
  「茶色の朝を迎えないために」
 ②対話型美術ワークショップ
 「茶色の朝」を体験しよう
*その他 公演、リハーサル無料見学等を含む「室内オペラ制作・広報インターン」もあります。

 

主催:神奈川県立音楽堂(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)
助成:一般財団法人地域創造
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協力:株式会社大月書店

お問い合わせ:神奈川県立音楽堂  045-263-2567

 

フランスで200万部を超えるベストセラー わずか11ページの物語

『茶色の朝』作者フランク・パヴロフ (c) Raphael GAILLARDE

オペラ『シャルリー』の原作となった物語『茶色の朝』作者フランク・パヴロフはフランスとブルガリア国籍を持つ心理学者、小説、詩人。子どもの心理と人権のスペシャリストで、アフリカやアジアの子どもの問題に長く関わり、フランスでは子ども向けから大人の読者向けのものまで、著作が多数出版されています。

1990年代後半、フランスでの極右政党の台頭に危機感を抱いたパヴロフは、多くの人、特に若い人に読んでもらおうと、子どもにもわかるやさしい言葉で、短い、しかし衝撃的なこの物語を、自らの印税を放棄しわずか1ユーロで出版しました。わずか11ページ、登場人物は名前もわからない主人公とシャルリーだけの、小さな小さな物語。
多くの人々がこの物語を読み、しだいに「極右にノンを!」の運動につながっていきます。
結果、その後の大統領選で極右政党は敗北。
以降もこの物語は世界各国で広く読まれ、日本でも2003年に出版されて以来、話題が広がり続けています。

世界各国に広がる『茶色の朝』

 

日本語版『茶色の朝』表紙 (大月書店 刊)

今ではこの物語は世界各国で26か国語以上に訳され、ヨーロッパ、アジアを問わず広く読まれる本になりました。日本では2003年に大月書店から哲学者の高橋哲哉氏のメッセージをいれて出版され、その後、SNS等を通じて話題が広がり、さまざまな文化人やアーティストからも注目されて、ロングセラーを続けています。

出版元の大月書店 オフィシャルサイト

世界に知られる物語を、フランスを代表する作曲家がオペラ化。

ブルーノ・ジネール (c)Jean-Pierre Bouchard

この物語を、フランスの現代作曲家、ブルーノ・ジネールがオペラ化しました。

小さな会場、若い観客の集まる会場でも上演できるように、演奏者を5人の器楽奏者と1人の歌手に絞り、1幕のオペラに仕上げました。題して「シャルリー~フランク・パヴロフの『茶色の朝』にもとづくポケット・オペラ」。主人公は若い女性のように描かれ、演じ、物語るのはソプラノ歌手です。

ジネールは1960年フランスに生まれ、ブライアン・ファニホウやルイス・デ・パブロといった当代一流の現代作曲家に師事した現代フランスを代表する作曲家ですが、日本では知る人ぞ知る存在。室内楽、オーケストラ作品から電子音楽まで様々なジャンルで創作し、フランス電子音楽センターIRCAM等の世界的機関と協働する一方、エリック・サティやクルト・ヴァイル、ナチスの迫害にあったユダヤ人作曲家など、時代の波間に消えた芸術家たちの作品を掘り起こして紹介する著作や活動等でも知られています。

ブルーノ・ジネール オフィシャルサイト

 

オペラ「シャルリー」は精緻で現代的な美しさを持った響き、ささやき声やスローガン、ポップなメロディ、叫び声など多彩な要素を表現のうちに取り入れた、音楽的にもユニークな作品で、若い人々も受け容れられやすいサウンドを持ち、ぜひ多くの方に聴いていただきたい作品です。

 

作曲家ジネールが推薦した『アンサンブルK』(初来日)による日本初演

 

日本での舞台初演の演奏を行うのは「アンサンブルK」。2008年に誕生以来、室内楽と文学、視覚芸術、ダンス等他の芸術表現のコラボレーションに積極的に取組むフランスのアンサンブル・グループです。

アンサンブルK オフィシャルサイト

作曲者ジネールとは「強制収容所で生まれた芸術作品~ワイマールからテレジンへ」などを中心に協働し、大戦間で埋もれた優れた音楽を復活させました。ケージやメシアンの作品等の20世紀音楽の学際的プロジェクトにも積極的で、フランスのCCAMヴァンドゥーブル・レ・ナンシー国立舞台センターのクリエーション、メッツ・アーセナルでのクリエーション等で高い評価を得ている、気鋭の演奏家集団です。
(写真:ジネールとアンサンブルKメンバーのスタジオリハーサル風景)

「シャルリー」はフランス国営放送ラジオ・フランスにより、アンサンブル・アレフという団体の演奏でCD化されていますが、作曲家ジネールが舞台版日本初演に推薦するのは、数々の舞台版上演をフランス本国ほか欧州で行っているアンサンブルKでした。

アンサンブルKはCCAMヴァンドゥーブル・レ・ナンシー国立舞台センターとの共同プロジェクトでこのオペラの舞台版世界初演を行ない、白と茶色のシンプルな美術と衣裳で今にふさわしいモダンな舞台を創り上げました。日本初演ではこのプロダクションをもとに、神奈川県立音楽堂に合わせてカスタマイズされたステージが組まれます。

室内楽公演、作曲家とのトークも交えた3部構造の貴重な公演

 

「シャルリー」日本初演は、3部構造で開催されます。

 

◆第Ⅰ部は「禁じられた音楽」をテーマにした室内楽コンサート
(演奏:アンサンブルK)

『シャルリー』ティーザーより

ソロ・クラリネットが鳴り、1933年ベルリンのキャバレーの空気とともにコンサートがスタート。

ベルトルト・ブレヒトクルト・ヴァイル『三文オペラ』から「メッキー・メッサーの哀歌」「大砲ソング」
33年はナチスがドイツで政権を掌握し、二人が相次いでパリへ亡命した年です。

ヴァイルのパリ時代にモーリス・マーグルの詞によせて書かれた「セーヌ哀歌」とヴァイルが理想郷を夢見てロジェ・フェルネの詞によせて書いたという「ユーカリ」

『シャルリー』ティーザーより

ドイツ語の『三文オペラ』からの名曲とたった2年間の短いパリ時代にフランス語で書かれた貴重な『ヴァイルのシャンソン』の交錯から、音楽の背景は次第に影を濃くしていきます。

5曲目は1939年のナチ侵攻までチェコで前衛の最重要の作曲家、高名なピアニストであったドイツ系チェコ人の作曲家、エルヴィン・シュルホフ「ヴァイオリンとチェロのための二重奏」より。
シュルホフはブレヒトと同じくナチスから「退廃音楽」の烙印を押され、1942年強制収容所で命を落としました。

 

第6曲、アメリカに亡命したユダヤ系ドイツ人作曲家、パウル・デッサウのピアノ曲「ゲルニカ~ピカソに捧げる」でクライマックスが訪れます。デッサウはワルターやクレンペラーのもと、指揮者としても頭角を顕し、ワイマール時代のドイツを代表する、音楽の最先端と映画音楽など大衆に寄り添った活動の両輪を繰り広げながらもアメリカに亡命し、ブレヒトとの協働で『セチュアンの善人』などの名作を残しました。「ゲルニカ」は、デッサウがピカソの大作に呼応して一晩で創作したともいわれる、民衆をふみにじる暴力への強い怒りと悲しみが表現された、短いながらも印象的な曲です。

最後に、デッサウの曲の一部をモチーフに21世紀からブルーノ・ジネールがオマージュを捧げた日本初演曲「パウル・デッサウの”ゲルニカ”のためのパラフレーズ」で、コンサートは幕を閉じます。

アンサンブルKは13年以上にわたり、これら「禁じられた音楽」や歴史に葬られた20世紀の優れた作品を掘り起こし紹介する活動をしてきました。作曲の傍ら研究と著作でこれらの時代と芸術家たちに光を当ててきたジネールと彼らの出会いのきっかけになり、芸術活動の芯となるプログラムです。

 

◆第Ⅱ部はオペラ「シャルリー」の日本語字幕付上演

(c)Derrière Rideau

◆第Ⅲ部は作曲家ブルーノ・ジネールを囲むクロストーク

ジェンダーや老い、人間の記号化問題や1920~30年代の社会と芸術の関係などに踏み込んだ作品で知られる美術作家・舞台演出家のやなぎみわ氏(10/30登壇)、日本語版『茶色の朝』(大月書店刊)にメッセージを寄せている哲学者高橋哲哉氏(10/31登壇)ら豪華なゲスト・スピーカーとともに、原作の背景と音楽的背景の多方面から重層的にこの作品が生まれた意義などに迫ります。

*ブルーノ・ジネールは来日できなくなりましたので、オンラインでのトーク出演となります。
*日仏逐語通訳付き

 

充実した関連プログラム。参加特典も!

「シャルリー」の世界観をより深く理解するための関連プログラムも企画されています。音楽堂と地元横浜の公立文化施設が協働し、それぞれの施設の強みを生かして多角的にアプローチする、美術ワークショップブックリーディングワークショップを予定。それぞれの参加者には「シャルリー」本公演へのチケット割引等特典が用意されています。経験は問いませんので、どなたでもお気軽にご参加いただけます。

また、将来アートマネージメントの職業につくことを考える学生・社会人、スキルアップしたい現役の公立文化施設職員の方から広く募集します。公演実施までの一定期間、広報、関連プログラム、公演制作の過程を実地体験していただく室内オペラ 制作広報インターンも予定しています。

<関連企画詳細>

ブックリーディング ワークショップ 「茶色の朝を迎えないために」
講師:桐山知也(舞台演出家)
2021年10月2日(土)14:00開始(13:30開場)
神奈川県立音楽堂ホワイエ

桐山知也(演出家)

小学生以上20名・要事前申し込み(応募多数の場合抽選)
原作『茶色の朝』、オペラ、演劇などに興味をお持ちの方(経験は問いません。どなたでも参加できます)
●受講料 2,000円(書籍代・参加費込)*書籍は当日受付でお渡しいたします
(『茶色の朝』をすでにお持ちの方は1,000円引)
*オペラ「シャルリー」のチケットをお持ちの方参加費500円引き(当日要チケット・予約画面の提示)
*当日は本公演チケットを1割(500円)引きで購入可能(いずれも一般券5,000円のみ、U24、高校生以下は適用外)

●お申し込み
2021年8月18日(水)-9月25日(土)申し込み締め切りを延長しました。
申込フォームはこちら

対話型美術ワークショップ 「茶色の朝」を体験しよう
講師:清野晃代(画家)
2021年10月17日(日)13:00開始(12:30開場)
横浜市民ギャラリー4階アトリエ

清野晃代(画家)

中学生以上(中学生含む) 10名(先着順)
原作『茶色の朝』、オペラ、美術などに興味をお持ちの方(美術の経験は問いません、どなたでも参加できます)
●受講料 2,000円(①+②、 画材・書籍代・参加費込)
①書籍代1,000円(要事前振込/『茶色の朝』をすでにお持ちの方、音楽堂以外で購入予定の方は不要)
②参加費1,000円(当日受付にて現金でお支払いください)

●お申込み
2021年8月15日(日) ― 9月30日(木)※申し込み締め切りを延長しました。
申込フォームはこちら

「室内オペラ制作・広報インターン」
2021年9月26日(日)-11月16日(日)の間でコース別に6日間もしくは12日間
神奈川県立音楽堂(カリキュラムには一部オンラインも含む)

対象:室内オペラの制作・広報及び公立文化施設の運営に興味がある大学生・大学院生・社会人
下記<基本プログラム>および<現場実習>各若干名
<基本プログラム> 上記期間内で約6日間のインターンコース  リハーサル見学参加等
 *交通費や食費等は原則としてご自身で負担
<現場実習> (基本プログラムを修了した方)
       *上記期間内で約6日間*薄謝あり

●お申込み(9/19(日)必着で下記まで郵送もしくはメールでお申し込みください。書類選考とオンライン面接後参加者を決定させていただきます)
郵送の場合:〒220-0044 横浜市西区紅葉ケ丘9-2
      神奈川県立音楽堂 インターンシップ係
メールの場合:ongakudo_oubo@kanagawa-af.org
※上記メールが受信できるようにしてください。

※ご応募の際の個人情報は本事業に限り使用します。

コースの詳細・お問い合わせはこちら

 

 

プロフィール

ブルーノ・ジネール(作曲)
Bruno Giner, composer

Bruno Giner, composer (c)Jean-Pierre Bouchard

1960年、スペイン国境に近い南フランスのペルピニャン生まれ。フランス・トゥールーズ、スペイン・マドリッド等で学び、パリに移る。パリのコレージュ・ド・フランスでブーレーズのレッスンを定期的に受け、イヴォ・マレク、ルイス・デ・パブロ、ブライアン・ファニホウ等のもとで作曲、電子音響などの創作研究に携わる。仏国内外の多彩な国際音楽祭で、アンサンブル・アンテルコンタンポランやアルディッティ・クァルテットなど多数のソリストや世界的現代音楽アンサンブルにより作品が演奏される。音のフォルムに対する強い興味に基づき、特に音響形態に配慮されたその作品は確かな演奏技術を伴ったエネルギーに満ちた作風を特徴とする。作品はデュラン社、次いでダールマン社、ドラトゥール社から、器楽ソロ、多数の室内楽、声、オーケストラ、電子音楽や電子音響と楽器のミクスト音楽等にくわえ、ピアノ、クラリネット、リコーダー、ギター、弦楽四重奏、打楽器、オーボエ、ホルン、トランペット、声など多様な教育用楽曲の多数のスコアが出版されている。

1998年、フランス著作権協会SACEMからエルヴェ・デュガルダン賞、2014年にフランス学士院芸術アカデミーからポール=ルイ・ワイラー賞(2014)を受賞。作品のいくつかはレコーディングされているが、特に2010年の、アンサンブル・アレフによってラジオ・フランスの「SIGNATURE」レーベルで録音された「シャルリー~ブランク・パヴロフの『茶色の朝』にもとづくポケットオペラ」や、最近では「オーボエのための『3つの静かな涙』(パーヴェル・ハースの思い出に)」、「ハープ、マンドリンとギターのための『TCP17』」(2017)がある。「Musicub」レーベルから2枚組室内楽作品のCDを出し、Charles Crosアカデミーから「Coup de Coer」賞を得ている。
ブルーノ・ジネール オフィシャルサイト
スコア出版元 Editions Francois Dhalmannオフィシャルサイト

 

フランク・パヴロフ(原作)
Franck Pavloff, author

(c) Raphael GAILLARDE

1940年フランスに生まれた、フランスとブルガリアの国籍を持つ心理学者、小説家、詩人。特に子どもの権利と心理の専門家で、アフリカやアジアでフランス政府協力省のプロジェクト・マネージャーとして長く務め、さらにグルノーヴル大審裁判所でも働く。ドラッグや非行防止のための支援組織の代表、また「路上の教育者」として司法と執筆活動の両面で活動。フランス国内で若者から大人まで広い読者を対象にした長短編小説、詩を著す。また出版社Syros(シロ)社の長寿ブランド「スリ・ノワール」シリーズのディレクターを務める。特に1999年、全体主義への抗議活動として発表し、フランス国内で190万部を売るベストセラーとなり、25か国語に翻訳された短編小説「茶色の朝」で世界的に知られる。

 

クリスチャン・レッツ(演出、美術)
Christian Rätz, director, set designer

エコール・デ・ボザール・リヨンとストラスブール高等演劇学校ESAD、ストラスブール国立演劇学校に学び、フランス国内外で、演劇、オペラ、バレエの舞台美術家として世界各地で重要なキャリアを築いている。

手がけた作品は、リヨンのベルリオーズ・フェスティバル「トロイアの人々」、イスラエル歌劇場「イェヌーファ」、アメリカ・スポレート音楽祭「ルサルカ」「サロメ」、ウェルシュ・ナショナル・オペラ「美しきエレーヌ」、ポルトガル・アルマダ市立劇場「トロイアとクレシダ」の美術と衣装、ローザンヌの国立劇場「ディドーとエネアス」「兵士の物語」ほか多数。またベルギー王立劇場、フランクフルト・オペラ、ノルウェイ・ベルゲン国立歌劇場等各地で活躍。

特にリヨン国立歌劇場の「子どもと魔法」映像版ではフランスFIPA国際テレビ映像祭金賞を含むいくつかの賞を受賞。1998年に美術を手掛けたL.プラモンドンとR.コッシアンテによるミュージカル「ノートル・ダム・ド・パリ」のプロダクションはイギリス、ロシア等各地で再演され、カナダ、スペイン、イタリアで賞の対象となる。

近年では特に芸術家集団カンパニー「Vox Point Comme」に演出家として参加し、歌、ダンス、音楽によるジャン・アルプのテキストに基づく舞台作品「Opus Null」、ダニイル・ハルムス作「事件、またはとても気持ちのいい夏の日のはじまり」、アンドレ・ヴェックマンのテキストによる「アルザス年代記/ All die sproche」を演出。

2015年には、ストラスブール大聖堂の建設1000年記念祭の一部として、ハイネのテキストとシューマンの音楽による音楽演劇的舞台「Le vent du diable」「l’Ombre Blanche」の脚本執筆と演出を行う。2016年には、ドストエフスキーの「悪霊」を改作、演出。

1978年からストラスブール国立劇場で教鞭を執り、また1998年から2011年までストラスブール高等演劇学校の舞台美術コースで後進の指導に努めた。

 

アデール・カルリエ(ソプラノ)
Adèle Carlier, soprano

幼少よりフランス国立放送少年合唱団に参加して活動、パリ国立地方音楽院で一等賞を得て卒業後は現在に至るまでヴォーカルアンサンブルLes Cris de Parisのメンバーとして活動。また著名な映画音楽の作曲家アルマン・アマールと協働し『デイズ・オブ・グローリー』『約束の旅路』『プルミエール、私たちの出産』などの映画のサウンドトラックに参加。

古楽から現代作品まで数々のオペラで役を務め、『魔笛』のパパゲーナ、『ダイドーとエネアス』のベリンダ役などでナント、レンヌ、ブールジュ等の歌劇場に出演。2008年から2010年まで、世界的バレエダンサー、マリー・クロード・ピエトラガラによる20人のバレエダンサーと3人の歌手による新作オペラ『マルコ・ポーロ』で「白の婦人」役を務め、北京国立歌劇場を皮切りにパリ、ヴェネチア、フィレンツェ等各地の音楽祭でのツアーに参加。以後はLes Cris de Parisとともに、エクサンプロヴァンス音楽祭、オペラ・コミーク、シュレーヌ劇場ほかフランス各地で上演されたバンジャマン・ラザール演出のオペラに出演する。

コンサートではヴァンサン・ドゥメストレ指揮ル・ポエム・アルモニーク、アンサンブル・ピグマリオンらとシャルパンティエほかの作品でフランスを中心に欧州各地で共演。ヘンデルのオペラアリアによるオーケストラとのコンサート、ヘンデルの宗教曲のほかバッハのカンタータでソロを務めるなどの活動もパリ他各地で行っている。

2020年にはシャトレ座でジュフロワ・ジョルダン指揮バンジャマン・ラザール演出のシャルパンティエ『アクテオン』に出演。

2021/22のシーズンには、マキシム・パスカル指揮によるシルヴァン・エルダーの『Like Flesh』でリール、モンペリエ、ナンシーなどの歌劇場に出演するほか、ストラスブールの音楽祭MUSICAへの出演、シンガポール等での活動が決まっている。

 

アンサンブルK(演奏)
ENSEMBLE K

声(ソプラノ)、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、パーカッションで構成する、室内楽と、文学、舞台芸術、造形芸術、ダンスなど他の形式の芸術表現の結合を美学的な面と歴史的な面の両方からのアプローチで探求するアンサンブル。2008年「退廃芸術」をめぐるプロジェクトを中心に誕生し、以来「禁止された音楽」「収容所の音楽」「音楽によるレジスタンス」などのコンサートやワークショップを通して、全体主義、特にナチズムによって迫害された作曲家によるあまり知られていない作品を復活させてきた。

また、20世紀の音楽の研究と創造に関わる学際的なプロジェクトにも携わり、セノネ修道院/シーン2でのクリエーション2012年ジョンケージをテーマにした「ヴァイオリンとジャグリング」)、CCAMヴァンドゥーヴル・レ・ナンシー国立舞台センターでのクリエーション2014年「音楽と舞踊」、メッツのアーセナルでのクリエーション、2016年メシアン「世の終わりのための四重奏」のヴィジュアルアートとのコラボレーションによる色彩的再構成などで高く評価される。アンサンブルK オフィシャルサイト

エロディー・ハース(ヴァイオリン)
Elodie Haas, violin

Ensemble Kの音楽監督。ハンスアイスラーベルリン音楽大学を卒業し、ストラスブール地方音楽院CRR の教授を務める。ダンス、サーカスを含む現代音楽に関する学際的なプロジェクトを専門とする。

グザヴィエ・フェルタン(クラリネット)
Xaviere Fertin, clarinette

ストラスブールのHEARライン高等芸術学校最高クラスPôleSupérieurを卒業し、ベルン高等芸術学校で修士号を取得。現代音楽、即興演奏等を専門とする。

マリー・ヴィアール(チェロ)
Marie Viard, cello

フライブルク音楽大学でクリストフ・ヘンケル、ジャン=ギアン・ケラスに師事。またバロック・チェロをクリストフ・ダンゲルらに学ぶ。奨学金を得てソリストとしてフライブルクほかのオーケストラ、室内楽団と共演するほか、ハインツ・ホリガ―指揮バーゼル室内管弦楽団等数々の国立ユースオーケストラに参加。2018年からはストラスブール・フィルに参加している。ソロ、室内楽で国際コンクール優勝し、欧州各地で活躍。

 

セバスチャン・デュブール(ピアノ)
Sébastien Dubourg, piano

ピアニスト兼歌手であり、何年にわたり、歌手との協働によるコンサートをディレクションすることに注力。

グレゴリー・マサット(パーカッション)
Grégory Massat, percussions

ストラスブールフィルハーモニー管弦楽団のパーカッショニストであり、あらゆるスタイルのアンサンブルで演奏することに熱心に取り組んでいる。

 

<クロストーク ゲストスピーカー>

やなぎみわ Miwa Yanagi

美術作家・舞台演出家。神戸市生まれ。京都市立芸術大学で工芸を学ぶ。
写真作品などで国内外で多くの展覧会を開催。
2009年第53回「ヴェネツィア・ビエンナーレ」美術展日本館代表作家。
2011年から演劇活動を開始し、美術館や劇場での公演を行う。
2015年に「ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ」で北米ツアーを実施。
2016年夏より台湾製の移動舞台トレーラーによる野外演劇「日輪の翼」(原作:中上健次原)を各地で旅巡業している。
マシンを使用したパフォーマンスや、写真作品の個展など、美術と舞台の両分野で活動中。

 

高橋哲哉 Tetsuya Takahashi

1956年、福島県生まれ。哲学者。東京大学名誉教授。
20世紀の西欧哲学、とくにジャック・デリダなど現代思想の研究で知られ、また、歴史、教育、憲法、原発、基地問題など、政治・社会の全般にわたり著作と発言を展開してきた。

『記憶のエチカ』『証言のポリティクス』『デリダ 脱構築』『戦後責任論』『歴史/修正主義』『反・哲学入門』『教育と国家』『靖国問題』『国家と犠牲』『犠牲のシステム 福島・沖縄』など、著書多数。

 

<関連ワークショップ講師>

桐山知也 (KIRIYAMA Tomoya)

舞台演出家。岐阜県生まれ。主な作品に『紙風船』『命を弄ぶ男ふたり』『ベニスの商人』(水戸芸術館ACM劇場)『ぼくらが非情の大河をくだる時 – 新宿薔薇戦争』(シアタートラム「日本語を読む」)『わが町』(文化庁次代の文化を創造する新進芸術家育成事業)『THE GAME OF POLYAMORY LIFE』(趣向)『彼らもまた、わが息子』(俳優座劇場プロデュース)『門』(劇壇ガルバ配信公演)『ポルノグラフィ』(KAAT神奈川芸術劇場リーディング公演)など。

また、演出助手等として、野村萬斎、白井晃、蜷川幸雄、サイモン・マクバーニーといった演出家の作品に参加。近年の参加作品に『子午線の祀り』(野村萬斎演出)『銀河鉄道の夜』(白井晃演出)『罪と罰』(フィリップ・ブリーン演出)『ハムレット』(サイモン・ゴドウィン演出)などがある。

2010年文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として1年間ベルリンにて研修。

 

清野晃代 (KIYONO Teruyo)

1983年横浜市生まれ。2008年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
修了制作優秀賞受賞。2008-2012年同大学油絵研究室助手。個展・ グループ展を中心に発表。
毎年、あらかわ画廊にて個展。
現在、玉川髙島屋S・C総合カルチャーセンター コミュニティクラブたまがわ講師。
渋谷ファッション&アート専門学校公開講座講師。青葉台カルチャープラザ講師。